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NLS通信 コラムアーカイブ

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■Vol.69 (2011年5月配信)

日本のSM文化発展に貢献した
団鬼六氏について

去る2011年5月6日。

官能小説の第一人者である作家、団鬼六(だんおにろく)氏が享年79歳にて永眠されました。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

『花と蛇』は“SM小説の原点”とされる、氏の代表作

団鬼六氏は20代後半に文壇デビュー。当初は経済小説や相場小説を執筆していましたが、30代の頃に投稿した官能小説『花と蛇』が評判となり、それを機に官能SM小説の先鋭として活躍するようになりました。

以降、耽美的なSM小説を数多く発表し、小説以外にもピンク映画の脚本や監督などで多面的に活躍されてきた、官能小説界の巨匠です。

彼の代表作品といえば、やはり官能ジャンルデビュー作にして、文芸雑誌にも長期連載されていた『花と蛇』が最も有名です。

本作は日本における“SM小説の原点”ともいわれ、それまで日本では馴染みの薄かったサディズムやマゾヒズムを丹念に描写し、SMにおける精神的な苦悶と快楽を、ねちっこくも耽美的に描いています。

1974年に日活が初めて映画化して以来、現在までに8作品が公開され、2000年以降の作品では、杉本彩や小向美奈子などの女優が主演を務め、スクリーンでその美しい裸体を披露したことでも話題になりました。

ハードルの低くなったSM世界に、踏み込んでみませんか?

近年、SMは決して特殊なプレイではなくなりました。そのことに団鬼六氏が大きく貢献したのは、今さらいうまでもないでしょう。

実際に鞭やロウソク、縄などを使ってハードなプレイをしている方々は、まだまだ多くはないでしょうが、目隠しや言葉責めなどのソフトSMは、特定のパートナーとのセックスで、いつもとは違う刺激を得るための、お手軽なエッセンスとして捉えられています。

NLSでもSMグッズは安定的な人気をキープしており、SMがアブノーマルな、マニアだけのものではないことを物語っています。

団鬼六氏がその生涯を掛けて表現しつづけた、耽美なる官能の世界に、あなたも一歩、踏み込んでみませんか?

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