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■Vol.157 (2019年06月配信)
米国で起きた親子間訴訟。
その原因はアダルトグッズ
少し遡ること2019年4月。アメリカのインディアナ州で、物議を醸すような事件が起こりました。
事の発端は、ある40歳の男性が「自分の“大切な所有物”を廃棄された」として、約1000万円もの損害賠償を求めて両親を訴えたこと。
ところが…彼の“大切な所有物”というのが、ダンボール14箱分にもおよぶ、大量のポルノビデオとアダルトグッズだったのです。
置きっ放しの荷物を親が勝手に処分
自身の離婚をキッカケに、両親の元へ身を寄せたこの男性。しかし、家庭内のトラブルが原因で、1年もしないうちに再び出て行くことになり、この時…男性は私物のほとんどを実家に置きっ放しにしていました。
その後、両親は息子の置いていった荷物をわざわざ届けたのですが、その際に彼の大切にしていた、大量のポルノコレクションとアダルトグッズをすべて処分してしまったのです。
怒り狂った男性は、地元警察に約325万円の被害届を提出しましたが、男性の訴えが受理されることはありませんでした…。
親子ゲンカが裁判にまで発展
憤りの収まらない男性は、その後も父親と口論をくり返しましたが、父親側も一歩も引きません。
というのも、男性は過去…在学中に大学内でアダルトグッズを販売して退学処分になったことがあり、その時に「つぎに家の中でアダルトグッズを見つけたら、問答無用で処分する」と釘を刺されていたのです。
こうしたお互いの主張がぶつかり合い、親子の議論は平行線に…。埒があかないと判断した息子は、ついに被害額の約3倍にあたる970万円もの損害賠償を求めて訴訟を起こし、この事件が広く世間に知れ渡ることとなったのでした。
今後の展開&判決が注目される事件
自分が大切にしているものの価値を、他人が理解できなかったため、(さまざまな理由で)捨てられてしまう…わりとよくあるハナシです。
世の中には拾った石ころやカップ麺のフタなど、本人以外にはゴミにしか見えないものを、大切にコレクションしている方もいらっしゃいますし、その価値観を共有できずに困っている家族も少なからずいるでしょう。
今回の事件も、そうした“価値観の相違”が根本的な原因。確かに息子のダメっぷりは少々気になりますが、だからといって「AVやアダルトグッズなんか、捨てられて当然!」とは、誰にもいえないんじゃないでしょうか。
現在、この裁判の判決は出ていませんが、ちょっと変わった事件性のため、アメリカ国内でも今後の展開に注目が集まっている様子。
NLSでも続報を待ちつつ、できればまた本コラムでご報告できればと思います。
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