■Vol.164 (2020年01月配信)
正しい対処が大切。
性交時の突発性頭痛
みなさんはセックスやオナニー中、突発的な頭痛に襲われたことはありませんか?
大抵の場合、興奮度がMAX近くまで高まってきたときか、オルガズムを迎える瞬間あたりに、ズキン!とした大きな痛みがくるため、プレイが中断されてしまい、セックスの最中だったりすると不完全燃焼に終わることも…。
しかも、この頭痛…一度発症すると、何度か連続的に起こるケースが多く、シチュエーションが恥ずかしいこともあって、誰かに相談したり、病院に行くのもためらってしまいがち。
そのため、繊細な方だと一人で悩み込んで、やがてはセックスやオナニー自体が怖くなってしまうケースもあるようです。
けっこう“あるある”な普通の頭痛
じつはこの頭痛、通称「性交時頭痛」といって、医学的にはごくごく一般的な症例。しかも、ほとんどのケースが片頭痛などと同様、命にかかわることがない“良性頭痛”だといいます。
年齢的には、おもに20〜40代前後で発症しやすく、女性に比べると男性の方が3〜4倍ほど多いのが特長。
片頭痛や群発性頭痛と同じ、“血管性頭痛”に分類され、さらに発症パターンによって、爆発型・姿勢時型・鈍痛型という3タイプに分かれています。
厄介な「鈍痛型」は早めに受診すべし
3タイプの中で一番多いのが「爆発型」で、これが絶頂時・射精時にズキーン!とくるもの。
おもな原因は、性行為による血圧の上昇や、オルガズム時における後頭部の拍動増加が考えられています。
「姿勢時型」は、同じ姿勢でセックスやオナニーを長くつづけた時に起こるタイプ。
これは脳室内や脊髄腔内を循環している髄液が、特定の体位をつづけることで漏れ出て、脳室内の圧力が下がるために起こる現象。そのため、体勢を変えると治まるケースが多いようです。
「爆発型」と「姿勢時型」の混ざったのが「鈍痛型」で、こちらは両方の症状が現れる厄介なタイプ。
頭痛の発生時間も、早い人は1〜2分で治まりますが、長くなると3時間以上もつづき、こうなってしまうとホントに性行為自体がイヤになるかもしれませんね…。
悪性の場合もあるので軽視は禁物!
誰にでも起こり得る「性交時頭痛」ですが、なりやすい方の特長として、血圧が高め・運動不足・肥満・片頭痛持ち・ストレスを溜めやすい…などが挙げられます。
運悪く発症してしまったら、2〜3週間は性行為を控え、頭痛のトリガーが治まるのを待つのがベター。風俗業などの“待てない事情”がある方は、お医者さんに相談して、処方箋をもらうことをオススメします。
また、大半が良性とはいえ、ごく稀に脳卒中や、くも膜下出血を引き起こす“悪性頭痛”のケースもあり、しかも良性と悪性で症状にはほとんど違いが見られません。
そのため、「性交時頭痛」が何日経っても治まらない、時間を空けても発症をくり返すという場合は、なるべく早めに専門医を受診してくださいね。
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