■Vol.174 (2020年11月配信)
アダルトグッズのIoT化は
課題がいっぱい…
スマートフォンの普及や通信技術の発展とともに、ここ最近は腕時計や生活家電までもがつぎつぎと“スマート化”を果たし、私たちの生活はますます便利になってきました。
アダルトグッズ業界においても、IoTの波はジワジワと迫ってきており、実際にスマホアプリで遠隔操作できるバイブやローターなどは、すでに複数モデルが誕生。どれもなかなか好評のようです。
確かにモノがインターネットに繋がり、あらゆる操作や情報管理がデジタルデバイスでできるようになれば、数多くのメリットが生まれるでしょう。
しかし…同時にそこには“あるリスク”も存在していることを、我々は忘れてはいけません。
専用アプリに深刻な脆弱性が発覚!
数カ月前、海外のとあるメーカーが、Bluetoothと専用アプリを使って、ロックや解除を遠隔操作できる男性用貞操帯をリリースしました。
遠く離れたところから、パートナーに射精管理されるドキドキ感が魅力の商品でしたが、なんとリリース後、この貞操帯専用アプリのAPIに深刻な脆弱性が発覚。
悪意のある第三者にパスワードなしで操作権を奪われ、最悪の場合、ペニスをロックされたまま永遠に開けなくなる…という危険性が指摘されたのです。
そう…IoTによるスマート化には、つねにハッキングや情報流出のリスクが介在し、開発者やメーカーは、これに対するセキュリティや万一の時の対応策を、最大限に確保しなくてはならないのです。
最悪の事態にメーカーもてんやわんや
しかも、この貞操帯…いざという時に自分で開けられる物理的な仕組みもなかったため、永久ロックされてしまったら破壊してこじ開けるしかなく、これがまた危険極まりない感じ。
おそらく、そんなん自分じゃできないので、もしそうなったら病院に駆け込むしかないでしょう。
また、この脆弱APIは、あろうことかユーザーの位置情報や個人情報まで漏らしちゃうらしく、ホントにもう…目も当てられないほどヤバい“最悪のおもちゃ”として、世間に知れ渡ってしまったのでした。
もちろん、この脆弱性を発見した組織は、メーカー側に事実を報告していて、専用アプリはすでに修正済み。
しかし、いろいろな事情から問題のAPIが入った修正前のアプリも今なお公開されおり、完全なる問題解決には至っていないようです…。
おもちゃのスマート化は課題がいっぱい
いやー…恐いですねぇ。ガジェットのスマート化は今後も間違いなく加速していくでしょうが、ことアダルトグッズに関しては、まだまだリスクの方が大きいような気がします。
実際、専用アプリを使用する海外製のアダルトガジェットは、過去にも似たようなトラブルを起こした事例があり、今回のことは業界人からすると「またか…」という印象。
アダルト業界のセキュリティ意識と技術が、一日も早くソニーやアップルなどと同じレベルにまで向上するよう祈りつつ、まだしばらくはアナログなおもちゃで遊んでおきましょうかね。
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