■Vol.208 (2023年09月配信)
“不同意性交”をめぐる
アプリ開発とその背景
その性交…ホントに同意の上ですか?
2023年7月。性犯罪に関する刑法が改正され「強制性交等罪」や「強制わいせつ罪」が、「不同意性交等罪」および「不同意わいせつ罪」に変わりました。
この法律を簡単に説明すると「性交する時は、ちゃんと相手の同意を得ていないとダメですよ」という、至極当たり前のコトを明文化したもの。
しかし、実際にはその時に同意があったと思っていても、あとになって相手が「本当は同意していなかった…」と申告すれば、加害者として罪に問われる可能性があり、密室において双方の同意があったことを証明するのは非常に困難といえるのです。
そんな“セックスの危機”が心配される中、性的同意の認識相違を防ぐためのスマホアプリが発表され、話題となっています。
大事だけど…興醒めしそうなアプリ仕様
性的同意アプリ「キロク」は、弁護士が監修する開発中のスマホ用アプリ。当初は8月中旬リリース予定でしたが、セキュリティの強化などを理由に公開予定日が“年内”に延期されています。
このアプリは、同意の上で性交したことを証明する“性的同意書”の代わりとなるもので、スマホの位置情報をONにした状態でアプリ画面のQRコードを相手の端末で読み取らせ、「同意」ボタンを押してもらうことで双方のアプリに記録が残る仕組み。
できるだけその場の雰囲気を壊さず、スマートにお互いの意思確認ができるよう配慮されているらしいのですが…やっぱり、どう考えても興醒めしちゃいそう(笑)
とくに40代以上の中高年世代にとっては“鬱陶しさ”が非常に強いですし、訴訟リスクの軽減や保証担保などのメリットと照らし合わせても、「使いたい」とは思えないかもしれません。
悪用される懸念もあり、課題が残る
また、先日このアプリが公開されたときに、ネットユーザーからは「脅されて同意を強要されたら逆効果」「意識が混濁している間に同意ボタン押されたらどうするの?」など“アプリの悪用”を懸念する声も上がっており、現時点ではそこも課題として残っているようです。
もちろん、開発企業側は「必ずしもすべての行為が合法になるわけではありません」とリリース文にも注意書きを入れていますが、コンセプトに賛同した“使ってみたい派”も意外と多いようで、事前登録数はジワジワと増えているとのことでした。
セックスへの行程をもっと大切に…
アプリで性交に同意した記録を取る…個人的には世も末だと思いますが、それだけ不本意なセックスに泣いている人が増えていたということであり、それも悲しい事実ですよね。
ロマンチックないいムードの最中に、どうやって同意を取るのかは大変難しい問題ですが、世の男性は今まで以上に相手の気持ちを大切にしながら、焦らず時間を掛けてセックスへとつなげる努力が必要になってくるんだと思います。
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