HIV｜大人のおもちゃ用語辞典

1983年に発見されたＨＩＶは、かなり歴史の浅い性感染症だ。少なくとも、旧約聖書に記述がある淋病や、15世紀末に登場した梅毒に比べれば、人類との付き合いは格段に短い。

だが、そのわずかな期間で、ＨＩＶは人類に最も恐れられる性感染症となった。その理由は、ＨＩＶがＡＩＤＳ（Acquired Immune Deficiency Syndrome／後天性免疫不全症候群）を引き起こす病原体だからである。

ＡＩＤＳは、（無治療の場合）発症後の患者の平均寿命が6〜19か月と、非常に致死性が高い。そのうえ、発症前の段階では（ＨＩＶ感染初期に風邪のような症状が出るくらいで）目立った症状がないため、患者を「気づいたときには余命幾ばくもない」という、絶望的な状況に追い込むことも多い。

この「致死性が高く、感染に気づきにくい」特性ゆえ、ＨＩＶは最も恐れられる性感染症となったのである。

ただ、現在はＨＩＶに感染しても、投薬治療によってＡＩＤＳの発症を抑えることが可能になった。

早期発見・早期治療により、ＨＩＶ感染者の平均寿命は、健常者とほぼ同じ年数にまで改善されている。「もしかしたら…」と思ったら、すぐに検査を受けることが重要だ。

病院や保健所を頼るのが一般的だが、匿名性を気にするなら、検査キットを購入して、郵送で検査してもらってもいい。とにかく、発症する前に感染を知り、一刻も早く治療を開始することが重要なのである。

もちろん、他の性感染症と同じく、予防を徹底することも重要だ。ＨＩＶは血液や精液、膣分泌液を介して（主に性行為で）感染するが、その感染力はとても低い。

きちんとコンドームを装着して行為に及べば、性行為で感染する可能性は限りなくゼロに近い。オーラル・アナル・通常のセックス問わず、粘膜が接触する場合は、必ずセーフセックスを心がけよう。

ＨＩＶは、感染者が女性の場合、母子感染することもある病気だ。自分のためにも、いずれ授かるかもしれない我が子のためにも、ぜひ注意していただきたい。

「怖いけど、いつのまにかＡＩＤＳになってたらヤバいし、ＨＩＶの検査キット買って調べるか…」

「ナマでシたいのは山々だけど…よく知らない相手だし、ＨＩＶ怖いからゴムしとこ！」