通和散｜大人のおもちゃ用語辞典

今も昔も、アナルセックスには潤滑剤の使用が欠かせない。腸は分泌液が乏しく、そのまま挿入しても滑らかにピストンできないうえ、被挿入側が怪我をする危険性も高いからだ。

その問題を解決すべく、江戸時代に発明されたのが「通和散」である。これはトロロアオイという植物の根の粉末で、お湯や唾液で液状にして使う、現代のラブローションのようなものだった。従来の唾液や植物油を塗る方法より潤いが持続するため、当時の男色家たちの必需品となった。

通和散には、一度溶かし、成分を紙に染み込ませて携帯するタイプもあったという。また、トロロアオイの代わりに、手に入りやすいフノリ（海藻）と葛粉と卵を混ぜて作る製法も伝わっている。このやり方ならば、現代日本でも比較的容易に通和散を作ることができる。

もちろん、現在では通和散より優秀なアナル用ローションが多数存在し、ＮＬＳからも手軽に購入できる。しかし、そんな便利な現代だからこそ、あえてラブローションを自作して、江戸の人々の性生活に思いを馳せてみるのも一興ではないだろうか。

「実家がトロロアオイの栽培してんだけど、通和散とかいうアナルローションの原料だって知って、なんとも言えない気分になったわ…」

「ローション切らしてるの忘れてた！乾燥フノリと葛粉と、卵があるな。よ〜し、作ってみるか、通和散！」