■Vol.199 (2022年12月配信)
なぜかSNSでバズった
“アナル日光浴”の真偽
みなさんは“アナル日光浴”というものをご存じですか? 読んで字のごとく、アナルを日光に当てる健康法の一種なのですが、これが今…TikTokをキッカケに流行っているらしいのです。
もともとは2019年10月頃に海外のInstagram上で話題になったのがはじまりで、当時は日本のメディアでも取り上げられました。
その時も医師によって「健康効果に科学的・医学的な裏付けはない」とされたのですが、あれから約2年の歳月を経て、なぜか再び注目を集めるようになったのです。
肛門を日光に当てるトンデモ健康法
まず“アナル日光浴”についておさらいしましょう。これはある人物が「太陽に肛門を30秒間向けることは、1日中日光を全身に浴びるのと同じくらいの健康効果がある」と主張し、それに賛同した人が世界のSNS上につぎつぎと現れたことで広まりました。
実践した様子を投稿する人々はこぞって「元気になれるし、よく眠れるようになった」「頭がスッキリしてアイデアが湧くので、創造性も高まった」などと“アナル日光浴”の効果をアピールしていましたが、前述したようにこれには何の信憑性もありません。
もちろん、日光浴自体はビタミンDが生合成されるため大事なのですが、身体の部位によって生合成量が変わることは証明されていませんし、「過度の日光浴は皮膚がんのリスクがある」として、多くの医師は警鐘を鳴らしています。
総再生数310万回を越える事態に困惑
そんな“トンデモ医療”のひとつであるアナル日光浴が、どうして今になって再び流行っているのでしょうか?
TikTokでは、#perineumsunning(会陰日光浴)というハッシュタグが付けられている投稿の総再生回数は310万回を超えており、健康分野のトレンドとしては決して小さくはありません。
医師がその健康効果をハッキリ否定したのにも関わらず、今なお脚をおっぴろげてケツの穴をお天道様に向ける(わりとマトモっぽい)人々が絶えないのは、マジでミステリーですね…。
ヨガ愛好家が諸々理解した上で実践
じつはこの現象について、あるWEBメディアが独自取材を行ったところ、TikTokユーザーの多くが「単純にアソコに太陽の光を当てるとスゴく気持ちがいい」という理由で実践していることが判明。
日焼けについてのリスクも十分理解しており、きちんと安全に配慮しながら“アナル日光浴”を行っている人がほとんどでした。
また“アナル日光浴”を愛好する人たちの傾向として、日常的にヨガを実践していることも明らかになり、彼らの多くがヨガの運動の最後に“締め”として取り入れているケースが目立ちました。
健康効果はないのでやらないのが賢明
あるTikTokerは「実際に体験してみないとなかなか理解できないと思いますが…不思議とエネルギーが湧き上がって、充電された感覚になれるんです。ヨガと一緒に朝行えば、1日の準備が整ってリラックスできますよ」と語っていましたが、それは半分以上ヨガの効果である気がします。
まぁ、確かに普段はパンツで隠している湿った部位を堂々とお日様に晒せば、開放的な気分になれて気持ちよく感じるのも理解できます。
しかし…それは医学的な健康効果ではありませんし、ほとんど“露出”に近いメンタル起因の気持ちよさ。都市環境で実践しようとすれば、誰かに見つかって通報される可能性が極めて高いでしょう。
というコトで、“アナル日光浴”に医学的な健康効果はないものの、実践すればそれなりに気持ちいいため、今も自分のヘルシールーティンに取り入れている人が多いようですが、それには場所選びも非常に大切。
もし、どうしてもやってみたいと思った方は、くれぐれも自己責任で、確実に誰にも見られない場所を選んだうえで、日焼けに気を付けながらどうぞ。
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